ブロックチェーンはセグウェイみたい? 地に足ついた議論で、ブロックチェーンの活用を進めるフェーズへ。(電縁インタビュー)

インタビュー

(本記事は2018/11/2取材時の内容となりますことを予めご了承ください)
株式会社電縁はブロックチェーン技術を活用することで、既存の安否確認サービスよりも大災害に強い安否確認スマートフォンアプリ「getherd(ギャザード)」をリリースされています。今回は取締役の石原玲一さん(以下、石原さん)とイノベーションオフィス室長の吉田健一さん(以下、吉田さん)にお話をうかがいました。

1、ブロックチェーンとの出会いは?

はじめにお二人がブロックチェーンに興味を持ったきっかけや、そのときの感想などを教えてください。

石原さん
会社の方針でブロックチェーン事業に参入することになり、はじめは「この技術は何に使えるのだろうか?」という気持ちで情報収集や検証を行っていましたね。

感想としては、「セグウェイのようなマーケットの経過をたどるのではないか」と思いました。前評判が熱狂的に高い一方で、実際に世の中に出てみると、前評判ほど大げさなものではなかったと受け止められるのではないかという感じです。ただ、ブロックチェーンが向く領域というのも確実にあるだろうという点もセグウェイと同じなのではないかと感じていました。

なるほど。確かにブロックチェーン関係のプロジェクトをはじめる上で、障害となる問いの一つが「それはブロックチェーンじゃなきゃダメなの?」というものだと、よく耳にします。

現状、ブロックチェーンでも作れるが、別の技術でも実現可能なサービス、プロダクトもあるように感じます。吉田さんはいかがでしょうか?

吉田さん
私の周りだと、マイナーやゲーマーが仮想通貨についてのやり取りをしていたので、そこからブロックチェーンという技術についても知りました。

会社でもブロックチェーンに関する取り組みが始まるということで、まずはビットコインについて、詳しく調べてみると、その完成度の高さに驚きましたね。中央管理者を必要としない仕組みが確立されていましたし、すでに何年も止まることなく運用されているなんて、信じられないと思ったくらいです。

2、耐改ざん性やP2P、非中央集権な仕組みなど、ブロックチェーンの魅力とは?

ありがとうございます。お二人ともブロックチェーンへの関わり方が異なっていて、面白いですね。では、次に、お二人の考えるブロックチェーンの魅力やメリットについて、お聞かせいただけますか?

石原さん
今は、トレンド的に盛り上がったブロックチェーンへの関心が一度落ち着き、どの領域と相性が良いのか、また活用できるのかなどをしっかりと議論するフェーズに入ったように思います。

離れた一箇所のサーバにアクセスしなくても、自分の手元のノードにアクセスすれば、他と同じ情報にアクセスできるという点にはメリット感じます。

また、耐改ざん性及び改ざんされたことがすぐに分かる仕組みというのは、かなり使えそうだなと思っています。例えば、ある情報が改ざんされていないと担保するような仕組みに対するニーズはとても沢山ありそうですよね。

吉田さん
ビットコインの仕組みもかなり完成されていたと思いますが、より汎用性の高いイーサリアムが登場し、スマートコントラクトへの注目も高まりました。これによって、非中央集権的な経済圏を作れる可能性が見えてきていることが非常に面白いですね。

一人ひとりだと力の弱い個が集まって、新しいコミュニティ、経済圏を作り上げられたら、それは新しい世界観で面白いなと思っています。

3、多様なブロックチェーンが生まれる中、今後の方向性とは?

一口にブロックチェーンと言っても、ビットコインやイーサリアムに代表されるパブリック型の他に、コンソーシアム型やプライベート型などいくつかのタイプが生まれています。お二人が思うブロックチェーンの今後の方向性についてお聞かせください。

石原さん
個人的にはパブリック型でないと、ブロックチェーンの魅力や良さというのを十分に引き出すのは難しいと思っています。

そう考えると、企業としては、ブロックチェーンSIerのようになるよりは、自社でサービスを展開するような方向になるのだろうと思います。また、よくトランザクションの処理速度について問題になりますが、少なくとも直近は高速化よりも、速度を必要としない領域でのプロダクトを作ることに注力した方が良いと感じています。

吉田さん
先程お話したように非中央集権的な経済圏が構築されると面白いと思っています。一方で、技術面、法律面などを踏まえると、完全な意味での非中央集権的な経済圏は難しいのかもと思っています。何より、非中央集権的な世界観は自由である一方で、自己責任となる範囲が非常に広くなります。

そういう世界は住みにくい部分もあると思うので、中央集権的な管理と、非中央集権的な仕組みのバランスを調整しながら、2つの考えが共存するような形式に落ち着くのではないかと思います。

4、まとめ

他技術と客観的に比べて、どこが優れているのかを吟味されている視点と、ブロックチェーン、仮想通貨を活用した経済圏(いわゆるトークンエコノミー)に可能性を感じている視点とそれぞれのお話をうかがえました。ブロックチェーンプロダクトを早期に発表されている株式会社電縁の今後の動きからも目が離せませんね。

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